仙人の極意書
神の落とし穴
神の名前を唱えることは禁止されている。
神の名前をみだりに唱えてはならない。
神の名前は、見えないからである。
最終更新:2017-06-20 08:26:10
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豊島の姫君
昔々、ある所に一人の姫がおりました。
その子の名は、豊姫。
彼女は言った。
「なぜ私は一人なんだ?」
豊島の国。
そこは鬼が住む国でした。
ある時は、彼女は気づきました。
「これ、夢じゃないの?」
彼女の周りで仲間が死に始めました。
それは呪いでした。
だから彼女は願った。
それは希望の願いだった。
だから彼女は言った。
「誰か、ここに来て欲しいよ」
桃太郎が来ました。
金太郎が来ました。
浦太郎が来ました。
彼らは言いました。
「や、俺、金ちゃん」
「や、俺、浦ちゃん」
「う、うん、俺、桃ちゃん」
彼らはとても優しい男の子。
みんな彼らを愛しました。
彼らは一体、どこから来たのだろう。
豊姫は言いました。
「これ、あげる」
それは秘宝、それは宝。
桃ちゃんはそれを見て、言いました。
「それ、危ないよ」
それは呪いの箱でした。
「あ、それヤバいな」
浦ちゃんが言いました。
「う、うん、それきっと悪魔の箱だな」
金ちゃんは、言いました。
豊姫は泣いてしまいました。
だって、その箱にせいで、仲間が死んだと思ったからです。
桃ちゃんは言いました。
「まかせてね」
桃ちゃんが箱を斬りました。
桃ちゃんは呪いに汚染されました。
金ちゃんが言いました。
「まかせろ」
斧で金太郎を殺してしました。
浦太郎が言いました。
「これ、きっと夢だな」
金ちゃんが死にました。
浦ちゃんが殺したのです。
豊姫は絶叫しました。
その時、彼が来ました。
名は、ない。
「さて、そろそろ起きろ」
彼は言いました。
それは祝詞。
それは悲しみ、それは喜び。
「招来せよ、我が王、名は、ない」
彼は消えました。
彼は消えませんでした。
「名は、ない」
彼はきっと、仙人の神でした。
彼はきっと、いませんでした。
だからみんな、彼を探します。
だから彼は言った。
「さよなら、豊姫。また、逢いましょう」
名は、ない。
その言葉は、きっと神名。
だから豊姫は、彼を覚えておくことにしました。
彼は言ったのです。
いつか結婚してくれると、思ってました。
でも、彼を裏切ったのは、私だったのです。
名は、ない。
彼を救う、これは使命となりました。
桃太郎と浦太郎、金太郎は、それをこっそり見ていました。
「あれ、ずるいよね?」
「俺達が助けたんだよね?」
「あれ? なんで手柄が横取りされてんだ?」
名は、ない。
彼が言いました。
「後を頼む、俺はきっと、いない」
桃ちゃんが言いました。
「ずるよ、だって、俺、助けたよね?」
浦ちゃんが言いました。
「これじゃ、死んだ意味ないよ?」
金ちゃんが言いました。
「手柄横取りは良くないよ?」
名は、ない。
彼は言いました。
「代わりに、これをあげよう」
彼は秘宝のすべてを彼らにあげました。
桃太郎、金太郎、浦太郎は、喜びました。
彼は最後に、あることを言って、消えました。
それは最後の言葉。
誰もが一度は言う言葉。
でも桃太郎、金太郎、浦太郎は泣きません。
彼が最後の王だと知った時、きっと豊姫は泣くでしょう。
だから言いました。
「うん、俺、桃だったんだな、神名」
「う、うん、俺、浦だったんだな、神名」
「お、俺、金だったのか、神名」
豊姫は言いました。
「私はきっと、豊なのですか、神名は」
みんな泣いてしまいました。
これは言ってはいけないこと。
彼はきっともう、いない。
だからきっと、みんな、泣く。
だって、これは彼の記憶。
だって、これは彼の・・・・・・・。
桃太郎は言いました。
「俺、救うぞ、仙界」
浦太郎は言いました。
「俺、桃ちゃんと一緒にいくぞ」
金ちゃんは言いました。
「俺はいくぞ」
彼らは消えました。
豊姫は最後に言いました。
「私はもう、いない」
これは彼女の最後の言葉となりました。
こうして彼女は、神様の仲間入りをしました。
きっと、それは傲慢な答え。
でも私は、憧れたのです。
神様に。
その言葉が真実であった。
これは私にとって、無上の喜びでした。
私は消える。
これで最後の願いは終わった。
私はきっと彼のそばにいられない。
だから願った。
「神様って、いるんだね」
それで終わり。
私は、もう、いない。
彼って、最初から、いなかったんだね。
だって、彼、死んだから。
桃ちゃんが言いました。
「え? 彼死んでないよ?」
浦ちゃんが言いました。
「彼は、ほら、生きてるって」
金ちゃんも言います
「泣くなよな。泣くと怒られるぞ」
豊姫は言いました。
「がんばって修行する。仙人になりたい」
豊姫は死に、仙人に生まれ変わりました。
そして秘宝の一つを授かりました。
それは邪仙の秘宝。
名を、「老婆の呪い箱」
これは開けた時、人は老婆となる。
それは悲しみの箱。
それは孫を思う心。
それは一つの呪いでした。
泣きながら、笑う。
孫を思い、苦楽を共にする。
それで分かることがある。
人は愛を忘れた瞬間、鬼となる。
私は知った。
嫉妬が傲慢が、盗みが悲劇をもたらすと。
私は知った。
これで私は老婆だ。
もう姫ではない。
だから言おう。
いつか、逢いましょう。
孫の顔、見たかったな。
浦太郎は言いました。
「これで、呪い解けるといいね」
桃太郎は言いました。
「きっと逢えるよ」
金太郎は言いました。
「子孫っていいな」
こうして、一つの物語が終わったのでした。
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